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里山トレッキング

大山の麓にはブナの二次林や里山雑木林が広がり、人と自然と共生する文化や生態系が見られます。大山道はこの里山の環境の中を長い距離で歩く里山古道であり、大山道を活用した里山トレッキングを進めています。

春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉、明るい冬枯れと季節感豊かな林野の風景を見せる里山雑木林は、大山の自然を語る上で、重要な環境要素です。

里山雑木林とは、人里周辺の林野域に見られる二次林と呼ばれるコナラ林あるいはアカマツ雑木林などで、古くから人の手が加わってきた半自然の樹林です。そのため、その地方の生活文化や気候風土、地形条件によって、特色のある樹林の景観となっています。

里山に育つ雑木林は、炭焼きの薪炭林として利用されたほか、落ち葉は水田の肥料としても利用されていたことから、人の生活に欠くことのできない環境であり、古来より人と森が親密な関係にあったことを物語るものであり、その証は炭焼き釜の跡などに見ることができます。

里山は子どもたちの遊び場でもあり、春や秋は森に入り、小屋づくり、ツリーハウスづくり体験、ドングリや落ち葉を集めてのクラフトづくり体験もツアープログラムとなります。

里山では、このような遊び体験に加え、冬季の積雪も少ないことから、野鳥観察、昆虫採集、野草観察など、四季を通じての自然観察を行うことができます。

また、下草が刈り払われ林床がよく管理された里山雑木林は、ブナ林にも共通した樹林の環境がみられ、奥大山ではギフチョウの生息が広く確認されていることから、大山道周辺の樹林については、ギフチョウを生物指標に、昔懐かしい里山の環境を再生することで、生物多様性の保全と美しい樹林景観の保全をはかるなど、大山道のトレッキング活用として、大山道ロングトレイル事業に組み込んでいます。



山里を歩く

大山道の通る大山南麓の地域には、人家や集落が分布し静かな山里の風景が開けています。大山は広く裾野を引く巨大な成層火山でもあり、その裾野は火砕流の堆積によって台地状の地形をなし、台地面上は水田など農地が開けています。

水田の近くには集落が分布していて、これら裾野台地上の農地からも眺望が開け大山を美しく望むことができ、水田や高原畑はその視点場ともなっています。

高原畑の周囲には落葉広葉樹の樹林帯が発達し生物多様性が保全されています。水田農村域では、水田・水路・溜池・雑木林が一体となって農村ビオトープを形成し、大山を背景に里山的な生態系が維持されています。山麓に開けた水田農村域では、茅葺きの民家や社叢、石造物、土蔵なども見られ、大山の良好なビューポイントにもなっています。

御机地区に残された茅葺き屋根の小屋と柿の木は大山南壁の前景となり旅情的な風景をなし、多くの人が写真撮影や絵画スケッチに訪れています。

大山の裾野にはクロボクと呼ばれる黒い火山灰土壌が広く分布し、緑豊かな水田地帯を育んでいます。水田は多くの生き物の生息の場となり、春から夏にかけては、水田域をビオトープ(生き物の生息空間)とした自然観察ができます。

また、休耕田を利用した「田んぼのビオト−プづくり」の場として、メダカ、タガメをはじめトンボ類など絶滅が危惧される生息環境を指標に、保全再生活動を体験することも可能で、生物多様性豊かで美しい景観を保全するエコツアーにも取組んでいます。